今年はカレンダーの巡りが絶妙で、
海の日が“ハッピーマンデー”で
第3月曜になっての21日だったことから、
19日は土曜、なので、その前の金曜が
一学期の終業式となったのが 小学校と中学校。
「いやいや、
高校も終業式は同じ日だったらしいけどもな。」
「そんでも、それより前から
実質的にはガッコ行かねぇじゃねぇか。」
定期考査の後、特に期末テストの後は、
先生方には大量の答案への採点というお仕事があるし、
それを押してもと授業をしたところで
次の学期までに長い休みが挟まるので
もう一度おさらいし直さにゃあならないのは明白で効率が悪い。
それに、場合によっては
出席日数や成績の補填にと
補習を設けにゃならない生徒も居ようから、
そのための日程がほしい…とあって。
今はどうだか知らないけれど、
たいがいの高校では
期末テストが終われば、
生徒側は実質お休みへなだれ込むも同然だった。
ちょうど各地で梅雨明けが発表される辺り、
ここ数年は絶好調にて蒸し暑い頃合いだから、
「元気で頑丈で活力が有り余ってる高校生よりも
まだちょっと か弱いだろう
小学生をこそ早めに休ませてほしいもんだよな。」
自分でもいい意見を言ったと思ったか、
うんうんと何度もうなずく子悪魔軍曹なのへ、
“…でも、万能の回復力あるじゃんか、小学生。”
“中でも特に頑丈そうな人材が言ってもなぁ…。”
ついのこととて、そんなこんなと思っておれば、
「今、何か凄げぇ失敬なこと思っただろ、井上と近藤 」
こっち向いてなかったはずなのに、
ましてやベンチからピッチまでと結構距離あったのに、
名前までびたりと当てての
心の声を読んでしまう 子悪魔軍曹殿だったりし。(笑)
ひえぇぇ…っと肩をすくめて震え上がったのが何よりの証拠だとし、
応援グッズらしいビッグサイズのメガホンを掴むと、
「ぼさっとしてねぇで、
とっととアップに入らんか、馬鹿野郎っ!」
ようよう通るお声で、
まずはの一喝を浴びせる威容の重厚なこと。
子供が真似ごとしているそれとは到底思えぬ、
訊いた以上はちゃんと従わないと、
絶対に後難がありそうなことを忍ばせるよな、
迫力がちゃんとついており、
「お、おうっ!」
「体操始めっぞ。」
話題にした高校生どころか、
ほぼ成人だらけの大学生が慌てて動き出すから、
他人事ならこんなおかしい展開もなくて。
「ホント、
ウチは ヨウちゃんがいるから随分と助かってるよねぇ。」
女子マネを集めてドリンクのボトルやお絞りの支度を指示しつつ、
メグさんが楽しそうに笑うのもお約束なら、
「あ。ルイっ、遅っせぇぞっ!」
今日はバスで来ました子悪魔坊や、
夏の陽に金色の髪をきらきら光らせて
さっきとは微妙にトーンの異なる大きな声を張ったのへ、
おお、済まん済まんと大きな片手を挙げて見せ、
管理職出勤の主将様が遅れて登場。
「主務が練習試合を幾つか組んでくれててな。」
七月の内なら、まだ合宿前のチームもなくはなく、
そいった手合いへ手早く声を掛け回ってくれたのへ、
確認の連絡取ったり、
日にちの調整があったりを手掛けていたそうで。
「そういやお前、今年も合宿来れんのか?」
「あ、何だよ。行ったら めーわくか?」
どこの世話焼きカノ女ですかという返しをする坊やも坊やだが、
「お前ンとこの親父さんが黙ってないかって意味だよ。」
「う…。」
去年だったか、夏祭りの予定立てて迎えに来られただろうが。
ゆかたも帯も持って来たよ〜って、
ビーチパラソル地面へ開いて、簡易の更衣室にしちまって。
器用にお着替えに取り掛かった騒ぎは、
あれはなかなか見物だったから、俺は別に構わんのだが、
「あとあと、
チームのメンツへの
しめしがつかんのじゃあないかとだな。」
「う〜〜〜〜。////////」
からかうでなしの淡々と語るのは、せめてもの気遣いからだろか。
それとも、
そのまま2日も戻って来なかった坊やだったのが
ちょっとは詰まんなかった総長さんだったのか。(お?)
「…先に訊いとく。」
「おう。」
ややこしい打ち合わせも必要ならしい、
彼らの夏がやっと始まる、ようでございます。
〜Fine〜 14.07.28.
*今年は微妙に早く始まった観がある夏休みですが、
明ける9月1日が、何と月曜だってのがハードですよね。
始業式からぶっ続けで1週間授業があるんだもの。
まあ、最初の半月ほどは短縮授業でしょうけれど、
それでも 残暑が厳しかろうに気の毒だなぁと思ったもので。
「でもなぁ、小学生はまだまだ元気なほうだぞ?」
「そうそう。
昼は無理でも、朝も早よから、
スニーカーばたばた言わせて駆け回ってるし。」
うんいや、それはもーりんも思うけどもね。
あの回復力はうらやましい…。
めーるふぉーむvv
or *

|